徒然ガクセイ夜話

徒然なるままに、とりとめもなしに、己が興味に従いあれこれ書いていくブログ

のんのんびより9巻 感想なのん   

 ついに発売された「のんのんびより」の9巻!!

アニメ二期も終わり、のんのん成分をサントラで摂取していた私にとって、これは今年最後の神様からのプレゼントに他なりません。ちびちびと大事に読み進め一月中に読了しようと考えていたところ、勢いあまって今年中に読み終えてしまいました。

そういうわけで、のんのんびより9巻の感想を徒然なるままに書き連ねていきたいと思います。

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~総評~(ネタバレなし)

のんのんびよりの魅力はノスタルジックな雰囲気や心温まるエピソードは勿論のこと、あっと先生の独特な感性とギャグセンスにあります。今回の巻は、全体的にギャグメインのエピソードが多く、登場人物たちが冬の寒さに負けず生き生きとしているのが印象深いですね。時に声を上げて笑ったりして、「そういえばのんのんびよりはコメディ漫画だった」と改めて感じました。やはり安定した面白さを誇っています。 

 

それでは、各話それぞれの感想を

 

※以下ネタバレあり

[63話]

れんちょんとなっつんの二人のやり取りで話が進んでいきます。

一巻のお塩の伏線がまさか9巻で回収されるとは思ってもいませんでした。

なっつんの偏った博識さと意外なお姉さんっぷりを楽しむエピソードで、同巻内の他の話のなっつんとは違った一面を見ることができます。心なしか作画も可愛くなっているような。

 

[64話]

こまちゃんが見ている夢をれんちょんたちが外的刺激によって良い方向へと操作する、という大筋をまとめたらかなりハイセンスな内容になっています。こまちゃんの寝言を手掛かりにしつつ、道具を用いて夢を操ろうと試行錯誤する展開は非常にサスペンスフルでした。犬かきの下りと下敷きの使用法には、思わず大爆笑しました。

迷エピソードです。

 

[65話]

前半で蛍が雪遊びをし(トラップを仕掛け)、後半でこまちゃんがそれを見事に踏み抜く様を楽しむエピソードです。悪意無き行いが人を苦しめることを、私たちに戒めてくれる話ですね。冗談はともかく、雪と氷は時に凶器に変貌しますのでご注意を。

 

[66話]

始めの三ページだけで声を上げて笑いましたね。ひかげ回にハズレなしとはこのことです。

このみちゃんの鬼畜さも垣間見えたエピソードでした。

実は物語的にもよくできていて、考えなしに大人たちにお年玉をがめつくひかげが、このみの策略によってお年玉を渡す側の気持ちを知り、お年玉を受け取る者の最低限の遠慮を学ぶお話です。相手の立場を思いやる心は大事ですね。

あと、れんちょんにお年玉を用意していた駄菓子屋に胸がほっこりしました。

 

[67話]

9巻の中でも最高に完成度が高く、なっつんのギャグが冴えわたりあっと先生の構成の巧みさに感心させられるエピソードです。福笑いのアイテムとしての使い方や二転三転する展開に加え、寝間着姿のこのみちゃんが素晴らしい回です。

そして妙な懐かしさも感じられたりして。

 

[68話]

なんだかいつにない不思議な雰囲気が漂っていましたね。どんど焼きという(知らない人からしたら)特異な行事を取り扱っているからでしょうか。

このエピソードには印象的な二コマがあります。

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上の絵はどんど焼きを点火する様子を眺めているれんちょん、下の絵はかず姉からどんど焼きの謂れを聞いた直後のれんちょんです。

点火時と燃え広がった後という違いはあるにせよ、れんちょんから見るどんど焼きの姿は前後で明らかに異なっています。無骨な煙は絹のように輝き、荒々しい炎はオーラを纏ったかのごとく揺らめいています。これは、れんちょんの意識の変化を視覚的に表したものと考えられないでしょうか。下の絵のれんちょんは、どんど焼きに神的な何かを見出しているはずです。そしてそれは、子供時代に誰もが感じたことのあるようなものに思えてなりません。

かず姉は大人としてれんちょんに神様の存在を語りますが、流石というか何というか最後に本音が出ちゃうのがかず姉らしいですね。

 

[69話]

れんちょんが駄菓子屋に手錠をかける話という事前情報だけ耳にしていたので、かなり楽しみにしていましたが、結果予想以上のものが得られました。

涙目の駄菓子屋なんてもう見られないんじゃないかな。

駄菓子屋となっつんが繰り広げる、まるで仲のいい(?)姉妹の戯れのようなエピソードです。

駄菓子屋の扱われ方の転機になる回かもしれません。

 

 

 

のんのんびより9巻。これから何度も読み返すことになるでしょう。次の10巻の発売予定が2016年<秋>と気長に待たなければいけませんし、その頃に私がどんな状況に置かれているかも定かではありません。

しかし、学生時代に9巻発売に立ち会えたことを嬉しく思うと同時に、10巻発売を楽しみにしています。